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〒275-0026 千葉県習志野市谷津 1-9-17
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〒275-0026 千葉県習志野市谷津 1-9-17 047-476-5111

食道胃外科外来

胃癌

  • 癌は一般に粘膜に発生し、徐々にその深さを増していきます。粘膜下層までにとどまる癌を早期癌と呼び、それより深い癌を進行癌と呼びます。
  • リンパ節転移の可能性ない早期胃癌に対しては、現在では内視鏡で胃の病巣を切除する内視鏡治療(内視鏡下粘膜下層切除;ESD)が一般的に行われます。
  • リンパ節転移の可能性がある早期胃癌や進行胃癌はリンパ節の摘出を含めた胃切除が一般的に行われます。
  • 当院における胃癌治療は、日本胃癌学会が作成した胃癌治療ガイドライン(2018年1月改訂)におけるアルゴリズムに基づいて行われております。
胃癌治療ガイドラインにおける治療法選択のアルゴリズム

 
手術について

  • 当院では開腹手術(10cm程度の小開腹手術を含む)と腹腔鏡手術を行っています。
  • 開腹手術はできる限り小開腹で術後の創部痛を軽減するようにしています。
  • 腹腔鏡手術は部分切除、全摘共にStage1の患者様へは積極的に適応しています。
  • 腹腔鏡手術は腹部に5mmから1cm程度の穴を数箇所(一般的には5箇所)あけ、ポートを挿入し、腹腔鏡を挿入して、お腹の中の映像をモニターに映し出し、映像を見ながら、鉗子と呼ばれる細長い道具を用いて胃とリンパ節を切除し、その後に消化管をつなぎ直す手術です。
胃癌手術について

 
化学療法について

  • 化学療法についても胃癌学会のガイドラインに基づいて行っています。
  • 術後再発率軽減のための補助化学療法や進行再発胃癌に対する化学療法を行います。
  • 胃癌の領域で現在使用されることが多い抗癌剤は、5-FU系(エスワン・カペシタビン)プラチナ系(シスプラチン・オキサリプラチン)タキサン系(パクリタキセル・ドセタキセル)イリノテカンなど が代表的です。
  • 分子標的薬であるトラスツズマブ(HER2陽性胃癌)やラムシルマブ、最近では免疫チェックポイント剤と呼ばれるニボルマブ・ペンブロリズマブも用いられています。抗癌剤には内服薬と点滴薬とがあります。そしてこれらの抗癌剤を単独であるいは2~3種類を組み合わせて使用します。

胃十二指腸潰瘍穿孔

  • 胃十二指腸潰瘍の原因の多くはピロリ菌感染です。NSAIDsと呼ばれる解熱鎮痛薬も原因となります。
  • 潰瘍の症状は上腹部の持続的な痛みや胸やけ、膨満感、食思不振であることが多いです。胃潰瘍の場合は食後の痛み、十二指腸潰瘍の場合は空腹時の痛みで現れることが多いとされています。
  • 穿孔の症状としては急な上腹部痛で発症することが多いです。
  • 消化酵素を含んだ液体がお腹全体に広がることで、腹膜炎を呈し、激しい腹痛が持続します。

 
胃十二指腸潰瘍穿孔の治療について

  • 胃/十二指腸潰瘍が穿孔した場合、炎症の広がりが限局的で、症状が軽い場合は、絶食で症状が改善する場合もありますが、お腹全体に炎症が波及している場合は、緊急手術が必要となります。 手術は、お腹全体を洗浄し穴を塞ぐ手術(穿孔部位を閉鎖、大網と呼ばれる腹腔内の脂肪組織を用いて被覆)になります。
  • 大きな穿孔の場合や、穿孔を繰り返すような患者様では胃の部分切除が必要となることがあります。
  • 当院では穿孔に手術に関して、積極的に腹腔鏡手術を行っています。

食道癌

  • 厚生労働省の人口動態調査によると2019年の食道癌による死亡者数は、全国で11,619人、悪性新生物による死因の第10位となっています。
  • 日本人において90%以上と頻度の高い癌の組織型(扁平上皮癌)の食道癌は、喫煙と飲酒が最も重要な危険因子で、喫煙と飲酒を両方好む人はさらに危険性が高まることが知られています。
  • 日本人の食道癌の多くが食道の中央付近からでき、次に食道の下部に多くできます。食道癌は、食道の内面をおおっている粘膜の表面からできます。食道癌は食道内にいくつも同時にできることもあります。

 
食道癌の症状

  • 熱いものが胸に滲みるとか食べ物がつかえる感じがするなどの症状を自覚することがありますが、早期のうちは症状がほとんどありません。癌が進行してくると、背中の痛みや咳、声のかすれ(嗄声)が出現してくることがあります。したがって、食道癌は症状を自覚してから、検査・診断されることが多いため、進行癌として発見されることが多いです。
  • 早期の段階で発見するためには、積極的に内視鏡検査を受けることが大切になります。

 
食道癌の治療

食道癌の病期は広がりに応じて、Stage 0~IVに分けられ、この病期に従って治療方針を決定します。食道癌に対して行う治療は、内視鏡的切除、外科手術、化学療法(抗癌剤治療)、放射線療法と多様な治療法があります。

食道癌の深達度

Stage 0 癌が粘膜内にとどまり、リンパ節転移や他臓器への転移を伴わないもの
Stage I 癌が粘膜下層にとどまり、リンパ節転移や他臓器への転移を伴わないもの
Stage II-III 癌が粘膜下層を超えて、固有筋層もしくは食道外膜まで達していた場合や、リンパ節転移を伴うもの
Stage IVa 遠方のリンパ節に転移を伴うもの
Stage IVb 他臓器へ転移を伴うもの

食道癌取扱い規約第11版(2015)

Stage0:内視鏡的切除が推奨される
  • 内視鏡切除術は、手術に比べ、身体への負担が少なく、癌だけを切除するため、食道を残すことが可能で、患者様にとっては非常に負担の少ない治療法となります。
  • ただし病理検査で一定の深達度より深い場合(深達度MM以深)は追加治療(手術または放射線治療)を考慮します。
Stage1:手術または化学放射線療法が推奨される
  • 癌が粘膜下層までにとどまっており、リンパ節転移のないものに対しては、手術が可能かどうかの評価(既往症や心臓機能や呼吸機能の評価)を行った上で、手術もしくは、化学放射線療法による治療を選択します。
Stage2,3:術前化学療法を行なった後に手術が推奨される
  • 癌が粘膜下層より深く浸潤している場合やリンパ節転移を認める場合は、第一の選択肢として、術前に化学療法を行い、その後で手術を行うことが推奨されます。
  • 化学療法は1週間程度の入院を伴う点滴療法を行います。
  • 術前化学療法は、5-FUとシスプラチンという抗癌剤を組み合わせを2サイクル行った後に手術を行うことを基本としています。
  • 化学療法後の治療は、手術が第1選択になっています。
Stage4:化学放射線療法(4a期)と化学療法(4b期)が推奨される
  • 4a期では、化学放射線療法が標準治療として推奨されています。4b期では、化学療法が標準治療として推奨されています。癌による痛みや狭窄などの症状がある場合は、これらを緩和する治療が重要になります。

 
手術について

当院では胃癌や大腸癌と同様、内視鏡手術、つまり胸腔鏡下での食道切除を基本としています。
従来の開胸手術では、術後肺合併症の頻度が多く侵襲の大きな手術でした。
胸腔鏡を用いることで肺合併症の頻度を軽減し、高精度の手術が行えます。胃の上部半分と、病巣を含んだ食道を切除し、残りの胃(胃管)と食道を吻合します。

 
化学放射線療法について

  • Stage 1~3において、手術が選択されなかった場合や、基本的に手術が施行できないStage 4aに対しては、化学放射線療法(抗癌剤治療と放射線照射)が行われます。
  • 化学療法は5-FUとシスプラチンによる化学療法が第1選択で、1サイクルが1週間程度の入院による抗癌剤投与と、その後の休薬期間を含めて4週間となります。
  • 一次治療の効果が薄くなった場合や強い副作用が出た場合など、継続が困難になった場合には、二次治療としては、ドセタキセルやパクリタキセルなどの抗癌剤が使用されます。
  • 放射線照射は平日に毎日、およそ1か月半行います。

食道裂孔ヘルニア

前述した横隔膜には、血管や食道などが通る穴があいていますが、このうち、食道が通る穴(食道裂孔(しょくどうれっこう))から、本来、横隔膜の下部にあるべき胃の一部が食道の方(上の方)に飛び出してしまうのが食道裂孔ヘルニアです。
逆流性食道炎の原因となることがあります。

 
食道裂孔ヘルニアの治療

  • 食道裂孔ヘルニアによる逆流性食道炎の症状が強い、胸部臓器を圧迫する症状が強い、または薬物治療で改善がない場合は手術を行うことがあります。
  • 腹腔鏡下手術で胃が胸の中に戻りにくい状態にするため食道裂孔を縫縮し、逆流性食道炎を起こりにくい状態に胃の形を作り替えます。腹腔鏡下手術では小さい傷で痛みが軽く、入院期間も短く、美容的にも優れています。

逆流性食道炎

  • 皆さん最近「逆流性食道炎」という病名をよく耳にされると思います。逆流性食道炎とは、胃酸などを含んだ胃内容物の逆流で食道に炎症が起こり、胸やけや口まですっぱいものがあがってくるといった症状を伴います。最近、日本人に逆流性食道炎が増えてきているのです。
  • 食道は胸から横隔膜(おうかくまく)を境にしておなかの胃に通じており、その境界を食道裂孔(しょくどうれっこう)と言います。通常この食道と胃の境界部はキュッとしまっていて、食道に胃の内容物が逆流しないように逆流防止機構が備わっています。しかしこの逆流防止機構が弱くなることによって逆流性食道炎が発症してきます。

 
逆流性食道炎の治療方法

  • 逆流性食道炎の症状緩和のためには、まず食生活を含めた日常の生活習慣の改善やお薬による治療を行っていきます。しかしこれらはあくまでも症状を和らげる対症療法であり、弱くなってしまった逆流防止機構を修復するものではありません。
  • 生活習慣の改善とお薬による治療で効果がみられない場合には、弱くなった逆流防止機構の修復のために噴門(胃の入り口)形成術という手術による治療も選択肢となります。

手術実績

医師紹介

食道胃外科の外来担当医表・休診代診を見る
三田 一仁

外科

専門医及び所属学会 日本外科学会外科専門医・指導医
日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医
消化器がん外科治療認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医
専門領域 上部消化管手術、鼠径部および腹壁ヘルニア手術
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