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〒275-0026 千葉県習志野市谷津 1-9-17
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検査・病理センター

病理について

組織発足の2006年4月からの準備期間を経て、2007年の4月、新病棟への移転とともに、志賀淳治医師を病理センター長として、本格的に業務がスタートしました。現在は小田秀明医師がセンター長を引き継ぎ、病理医師1名(病理専門医)、検査技師5名(うち細胞検査士4名、認定病理検査技師1名)の体制で運営しています。
病理診断科のない病院ではそれらを病院外の検査センターに送り、そこで標本を作製して病理の医師が診断しているために確定診断が出るまでに通常1週間から10日かかりますが、当院では病理医が常駐しているので早ければ翌日、通常は翌々日には診断ができます。また手術中に病理診断が必要な場合が時に生じますが(迅速診断)、その場合には平均30分で診断を行っています。

 
病理診断科とは

患者様を直接診察したり治療したりする科ではありません。病理診断科の業務は、患者様から採取された臓器や組織・細胞から顕微鏡標本を作製して、病理診断をつけることです。顕微鏡標本は臨床検査技師が作製し、病理診断は病理医が行います。何の病気であるかを診断する場合、はじめに画像検査や内視鏡検査で、どこに病気があるかを確認し、それから正確な診断を行うための検査に進みます。その正確な診断を確定するのが病理診断です。
病理検査には大きく分けて組織を取って診断する『病理組織検査』、手術の最中に診断をつける『術中迅速検査』、細胞を取って診断する『細胞診検査』、患者様の全身の疾患に関して最終的な評価を行う『病理解剖』があります。

病理組織検査

生検組織:からだのごく一部の組織を採取して診断をつけます。採取の方法には内視鏡の生検鉗子という器具で摘み取る、皮膚の表面から針を刺して取る、メスで切り取るなどがあります。内視鏡検査で胃や大腸の粘膜病変が良性か悪性かの判定をします。どちらかによって治療方針が全く異なりますから極めて重要です。これを正確に決定することができるのが病理診断なのです。乳腺のしこりが良性腫瘍なのか、がんなのかという診断も行います。がんの種類によっても治療方針が異なってきます。
手術組織:手術前の臨床診断の確認のほか、病変の進展度や病変がとりきれたかどうかの判定を行います。がんであれば進行の程度やリンパ節転移の有無などを診断します。さらに手術前に臨床診断されていた病変以外の隠れた病変の診断も重要です。たとえば臨床診断が胆石症であっても胆嚢がんが潜んでいる可能性があるからです。手術組織の病理診断は、術後の治療方針の決定に重要な意味を持っています。

術中迅速検査

通常は生検で病理診断をつけてから手術されることになりますが、手術の最中に診断をつける必要がある場合があります。乳がんの手術では術中にリンパ節転移の有無を調べたり、切除した組織の切断面にがんがないかを調べたりします。切断面にがんがあればさらに広く切除する必要があるからです。手術室から生の組織が届けられると、病理医が即座にどの部分を判定するかを見定めて切り出しをします。臨床検査技師が組織を瞬間的に凍らせて固くし凍結切片を作製します。病理医が診断し、結果を手術室に電話します。組織を受け取ってから報告までの時間はおよそ15分です。
また迅速診断に関しては近傍の病院からの依頼を受けています。

細胞診検査

細胞診は広い範囲の情報を得ることができること、また患者様に掛ける負担が少ないという利点があります。細胞をスライドガラスに塗り染色して標本を作製します。尿や胸水・腹水など液状のものを遠心して集めた細胞や子宮頸部・子宮体部などの表面をブラシで擦り取った細胞、喀痰、乳腺などから針を刺して得られた細胞などスライドガラスに塗り、染色をして顕微鏡標本を作製します。標本は細胞検査士の資格を持つ臨床検査技師が異常細胞を拾い上げ、病理医がチェックして細胞診断報告書を作成します。
 当院では、婦人科頚部細胞診は全検体に液状化検体細胞診(Liquid Based Cytology:LBC)を導入しています。
液状化検体は保存容器内に細胞があるため、再検査をせずにHPV検査など追加の検索が可能です。
(HPVとは子宮頸がんとの関連があるとされるヒトパピローマ(ヒト乳頭腫)ウィルスのこと)

病理解剖

病気のために亡くなられた患者様のご遺体を解剖し、臓器・組織・細胞を直接観察して詳しい医学的検討を行うことです。これによってきわめて精度の高い病理診断ができ、死因を正しく理解し、治療の適切性についても検討することができます。
上尾中央医科グループ 8施設の病理解剖を請け負っています。臨床的に死因、病因がはっきりしない症例や病理解剖により真の診断が明らかとなった症例も少なくなく病理解剖の役割を果たせたと考えています。年間の剖検数は2016年度9例、2017年度15例、2018年度10例、2019年度8例、2020年度4例、2021年度4例です。大学付属病院以外で他の病院の解剖を行っているところはほとんどないので、これが当院の特色といえます。このように当院の病理診断科は地域の病理センターの役割を果たしております。
医学の急速な進歩によって、さまざまな疾患に対して新しい診断法や治療法が開発され、現代の医療は大変高度かつ複雑なものになっています。その一方で患者様に起こる全ての出来事を予測し対応することは現在でも難しいと言わざるを得ません。従ってより確実なよりよい医療を行うために、診療の効果や問題点を絶えず検証する必要があります。これは治療中の患者様だけでなく、亡くなられた患者様も貴重な対象となります。このために病理解剖は非常に重要なのです。
病理解剖によって得られた結果を亡くなられた患者様ご本人に直接還元することはかないません。しかしご遺族にとっては、その患者様がなぜ亡くなられたのか、生前はどのような状態だったのかを詳しく知ることができ、身近な人を亡くしたことを受け入れる助けになるのではないでしょうか。
医療従事者にとっては、病理解剖を通して患者様が亡くなった原因や生前の病気の状態が明らかになり、診断の妥当性や治療効果を詳しく検証できます。このことは同じ様な病気の患者様によりよい医療を提供するために大変役立ちます。また生前には見つかっていなかった疾患や未知の疾患についての重要な情報を得られる可能性もあります。
さらに数多くの患者様の病理解剖から得られた結果を解析することで、その知見はより一般的なものになります。死因の正確な統計や疾患についての傾向を把握することは疾患の原因解明や予防についての重要な情報となります。

病理解剖が必要な場合
  1. 診療中の病気の経過や死因について、臨床的に説明がつかない、あるいは病理解剖以外の方法では確実な説明がつかない場合。
  2. 病理解剖によって予期されなかった合併症が明らかになると考えられる場合。
  3. 診療行為中あるいはその直後に予期されない死亡をされた場合。
  4. 治療中の方で院内において突然死あるいは予期されない死亡をされ、診療行為と関係ないと考えられる場合。
  5. 病理解剖によってご遺族や一般の人の不安や疑念が解消できると考えられる場合。
  6. 心肺停止状態で搬送された方で、その死亡について事件性がなく、司法解剖の対象でない場合。
病理解剖の実際について

病理解剖はご遺族の同意のもとに病理医と臨床検査技師により行います。院内の専用施設にて(剖検室)行います。当然ですが、ご遺体は畏敬の念とともに取り扱い慎重に検索を行います。
胸部から腹部にかけてメスで切開します。着衣の状態では見えない場所で切開を行い解剖後は丁寧に縫合します。脳の検索を行う場合には頭部も切開しますが、正面からは見えないようにして縫合します。解剖終了後は、ご遺体は直ちにご遺族にお返しします。
解剖にかかる時間は2~3時間です。
摘出された臓器は肉眼的観察および写真による記録が行われた後、その全部もしくは一部をホルマリンの中で保存します。その一部は顕微鏡で観察するための組織標本を作製し、病理医が各臓器の異常を詳細に調べます。結果は生前の症状や検査結果と総合的に判断して「病理解剖報告書」として1ケ月から数カ月後に主治医に報告されます。
病理解剖に必要な費用は原則として病院が負担します。患者様やご遺族が支払う必要はありません。

勉強会・教育

解剖例に関しては全例臨床病理カンファランス(CPC)を行っています。また内視鏡カンファランスを定期的に内視鏡担当医、研修医と行い臨床的に問題症例を検討しています。
さらに研修医の教育(病理診断、標本作製実習)を行っています。

 
病理検査件数

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
組織診 1662 1744 1482 1648 1810 1659 1545 1610 1615 1706 1881 2284 2251
細胞診 4618 4833 4580 4144 4221 3160 3321 3643 3989 4281 4218 5282 5721
病理検査件数

 
病理解剖件数

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
院内(件) 4 2 2 7 8 8 5 11 6 3 1 2 5
院外(件) 6 10 4 8 4 3 4 4 4 5 3 2 3
病理解剖件数
BD トータリスD-Cube

BD トータリスD-Cube
(液状処理細胞診前処理装置)

BD PrepStain Slide Processor

BD PrepStain Slide Processor
(自動塗抹装置)

 
免疫染色

(免疫染色は、上尾中央医科グループの関連施設に外注しています)

Her2:Human Epidermal Growth Factor Receptor Type2

Her2:Human Epidermal Growth Factor Receptor Type2
Her2タンパクを持っているがん細胞が茶色く染まっています。
分子標的治療薬が積極的に治療に使われるようになってきました。乳がんでは細胞の表面に存在し、乳がんの増殖に関係しているとされているタンパク質(Her2)の作用を抑制する薬が注目されています。
(分子標的治療薬=がんの発生や増殖などに関係する特定のタンパク質や遺伝子をターゲットにして、がん細胞の増殖を抑える薬)

ER:Estrogen Receptor エストロゲン受容体

ER:Estrogen Receptor エストロゲン受容体
エストロゲン受容体があるがん細胞が茶色く染まっています。
乳がんには女性ホルモンの一種であるエストロゲンが強く結合するエストロゲン受容体を持っているがん細胞があります。エストロゲンが結合できないようにブロックするホルモン療法が有効になります。

病理に関する料金(目安)

病理組織標本作製料 8,600円
免疫染色
 エストロゲンレセプター
 プロゲステロンレセプター
 Her2タンパク
 EGFRタンパク
 
7,200円
6,900円
6,900円
6,900円
術中迅速病理組織標本作製 19,000円
細胞診(婦人科) 1,860円
細胞診(婦人科以外) 1,900円
組織診断料 4,000円
細胞診断料 2,000円
病理診断管理加算料 12,000円

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