物忘れ外来とは
アルツハイマーと認知症ってどう違うんですか?
問いかけられる質問です。記憶力や判断力などの認知能力が病的に低下すれば原因に関係なく「認知症」ということになります。ですから脳腫瘍や脳梗塞、頭の中の出血、脳のケガ、水頭症のほか、ビタミン不足やホルモン不足などでも認知症になることがあります。
物忘れ外来では、認知症の中でも最も患者数が多いアルツハイマー型認知症を中心に診断・治療をしています。
アルツハイマー型認知症という病気はどうして起きるのでしょうか?
まだわからないことが沢山あるのですが、どうもアミロイドβやタウたん白という物質が脳細胞の中に溜まって、それが原因で脳細胞が死んでしまうという事がわかってきました。そしてその物質は、細胞が死滅し記憶力が落ちる20年くらい前から溜まり始めるというのです。記憶力が落ちるはるか前から病気は始まっている、ということになります。
将来はこのような原因物質を溜めないようにする方法が見つかるかもしれませんが、現状では、記憶力の減退にブレーキをかける薬しかありません。記憶力を完全に回復させる、という薬はないので、アルツハイマー型認知症の始まりをいち早く見つけ、できるだけ早期から薬を飲み続けることが重要なのです。
初期症状
- 同じ話をする
- 日付を忘れ何回も確認する
- 同じ物を何回も買ってしまう
- 通帳や保険証・カギなどをなくして作り直す
- 財布の置き場所を忘れ、「誰かに盗まれた!」という「物盗られ妄想」
- 意欲がなくなった
旅先の宿で入浴の際、他人の服を着てしまった、などがあったら結構進んでいると考えなければいけません。記憶力以外に見逃してはいけない症状として、意欲の低下があります。入浴が億劫になり、いろいろ理由をつけて入らなくなった、趣味をやめてしまった、外出しなくなった、身だしなみに気を使わなくなった、手の込んだ料理をしなくなった、などが代表例です。
初期症状「うちのお婆ちゃんは物忘れなんか全然ないですよ、昔のことは昨日のことのように覚えてるからね。でも昨日のことはきれいさっぱり忘れちゃうんだよねえ。」こんな話もよく耳にします。アルツハイマー型認知症でダメになるのは近時記憶と言ったり短期記憶と言ったりする新しいことを覚える能力です。昔の記憶はかなり重症になるまで維持されます。ですから「うちのお婆ちゃんは・・・」はまさにアルツハイマー型認知症です。
物事の手順が分からなくなるというのもよくある症状で、電気器具の使い方が分からなくなってきた、調理の手順を間違える、などもよくみられる症状です。
病院ではどんな検査をするの
頭部MRI(だめならCT)そして長谷川式簡易知能スケールという記憶力の検査をします。そして、「10時10分の時計の絵」を描いてもらいます。診察室では患者様の服装や表情を観察し、簡単な世間話をしながら、記憶障害がありそうかどうか、そして薬をきちんと飲んでくれそうかどうかを見ます。
患者様の中には病院に行きたがらない人も結構います。そのため、受診が8年も遅れてしまったという例も珍しくありません。患者本人を連れて来ないとダメ、と思っている人も多いようですが、当院の物忘れ外来ではご家族のみによる相談もOKです。
誰にでも通用するわけではありませんが「一緒に健康診断に行こう」「私、脳の状態をチェックしに病院に行くのだけれど心細いから付き合って」と言って連れ出すのも一つの方法です。
最近、軽症のうちに薬を飲み始めた方が薬の効果が長持ちする、ということがわかってきました。早期発見、早期に治療を開始することで、本人も良い状態を維持でき、ご家族も不安や苦しみのない時間を長く持てるようになるのです。
あなたはいくつあてはまりますか?
4つ以上のチェックがついたら認知症が疑われます
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脳神経外科
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専門領域 | 認知症 |
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