病院指標の公開
DPCデータを用いた病院指標
DPCデータから全国統一の定義と形式に基づいた指標を作成し、市民の皆さんに情報公開を進めています。この指標によって、当院の特徴や急性期医療の現状を理解していただくことを目的としています。
現在公開している病院指標は、平成30年度(平成30年4月1日~平成31年3月31日)中に当院を退院した患者様のデータを集計の対象として作成しています。 集計対象患者は、医科保険適用患者(公費、生活保護患者含む)で、DPC対象外患者(自動車賠償責任保険や労災保険、自費等)のデータは含まれません。
DPC(診断群分類別包括制度)とは
DPC(Diagnosis Procedure Combination)の略で、医師が決定した主病名に基づき、入院患者様の一連の医療行為を、国で定めた1日あたりの定額の点数から入院医療費を計算する制度です。DPC対象となる患者様は保険適用患者で、一般病棟に入院された患者様を対象とします。
病院指標(臨床指標)
医療の質を具体的な数値として示し、客観的に評価することを可能としたものです。
これにより、医療の過程や結果のなかに潜在している課題や改善点を見つけ出し、医療の質向上に役立てることを目的としています。
平成30年度 津田沼中央総合病院 病院指標
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞の患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 17 | 59 | 91 | 124 | 232 | 315 | 433 | 940 | 1076 | 405 |
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数(自院) |
平均在院 日数(全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030250xx991xxx | 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1-あり | 170 | 2.00 | 2.04 | 0.00 | 54.43 | |
040081xx99x00x | 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし | 135 | 40.66 | 20.92 | 1.48 | 83.81 | |
110310xx99xx0x | 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし | 59 | 26.58 | 12.58 | 0.00 | 81.08 | |
050130xx99000x | 心不全 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし | 54 | 25.67 | 17.66 | 3.70 | 83.69 | |
0400801499×012 | 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2-なし 副傷病あり | 47 | 41.17 | 18.23 | 2.13 | 87.26 |
【解説】
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、1時間あたり5回以上無呼吸や低呼吸が発生し、そのために熟眠できず、日中など起きている時間に異常な眠気を催す状態のことをいいます。当院の内科入院で最も多く、治療目的で入院しています。
誤嚥性肺炎とは、高齢者や脳梗塞後遺症などで、嚥下(飲食物を飲み込む)機能が低下した高齢者に起こりやすい疾患です。当院では経口摂取が可能となるようにリハビリテーションで嚥下訓練を行っています。
2位から5位の疾患は、平均年齢が80歳以上となっていることから、内科疾患で超高齢化が進んでいることがわかります。
全国と比較して平均在院日数が長くなっている理由として、当院では急性期治療終了後必要に応じ慢性期病棟へ転棟し継続した治療とケアを実施しているためです。
内科では地域に根ざした医療の実践を目標に掲げ、外来、入院診療、救急医療および訪問診療に力をいれており、患者様ご家族、医療相談員(ソーシャルワーカー)、リハビリテーションスタッフ、在宅療養部スタッフ、ケアマネージャーを交え、近隣の施設などとも連携し、療養環境の向上に力を注いでいます。
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、1時間あたり5回以上無呼吸や低呼吸が発生し、そのために熟眠できず、日中など起きている時間に異常な眠気を催す状態のことをいいます。当院の内科入院で最も多く、治療目的で入院しています。
誤嚥性肺炎とは、高齢者や脳梗塞後遺症などで、嚥下(飲食物を飲み込む)機能が低下した高齢者に起こりやすい疾患です。当院では経口摂取が可能となるようにリハビリテーションで嚥下訓練を行っています。
2位から5位の疾患は、平均年齢が80歳以上となっていることから、内科疾患で超高齢化が進んでいることがわかります。
全国と比較して平均在院日数が長くなっている理由として、当院では急性期治療終了後必要に応じ慢性期病棟へ転棟し継続した治療とケアを実施しているためです。
内科では地域に根ざした医療の実践を目標に掲げ、外来、入院診療、救急医療および訪問診療に力をいれており、患者様ご家族、医療相談員(ソーシャルワーカー)、リハビリテーションスタッフ、在宅療養部スタッフ、ケアマネージャーを交え、近隣の施設などとも連携し、療養環境の向上に力を注いでいます。
外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数(自院) |
平均在院 日数(全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060100xx01xx0x | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし | 104 | 2.41 | 2.67 | 0.00 | 70.68 | |
060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア | 100 | 3.41 | 4.96 | 0.00 | 65.38 | |
060102xx99xxxx | 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし | 50 | 6.38 | 7.75 | 0.00 | 61.94 | |
060150xx03xxxx | 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 | 45 | 4.31 | 5.49 | 0.00 | 41.04 | |
060330xx02xxxx | 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 | 31 | 4.52 | 6.52 | 0.00 | 55.39 |
【解説】
在院日数は全国平均と比較して短いことがわかります。
多くの手術で、体への負担が軽い「腹腔鏡手術」を行っています。腹腔鏡手術は、従来の開腹手術と比較して高度な技術が必要ですが、「日本内視鏡外科学会技術認定医」をはじめとした豊富な経験を有する常勤医が勤務しており、多様な術式に対応が可能です。
開腹手術を勧められている患者様で、低浸襲の腹腔鏡手術を希望される方は、できる限り対応しています。
当院では胆石症、虫垂炎、鼠径(そけい)ヘルニア手術のみならず、大腸癌、胃癌での手術においても原則第1選択として腹腔鏡補助下手術をしています。
また、呼吸器外科医の入職により、気管支鏡の検査や、肺の悪性腫瘍手術等への対応が可能となりました。
在院日数は全国平均と比較して短いことがわかります。
多くの手術で、体への負担が軽い「腹腔鏡手術」を行っています。腹腔鏡手術は、従来の開腹手術と比較して高度な技術が必要ですが、「日本内視鏡外科学会技術認定医」をはじめとした豊富な経験を有する常勤医が勤務しており、多様な術式に対応が可能です。
開腹手術を勧められている患者様で、低浸襲の腹腔鏡手術を希望される方は、できる限り対応しています。
当院では胆石症、虫垂炎、鼠径(そけい)ヘルニア手術のみならず、大腸癌、胃癌での手術においても原則第1選択として腹腔鏡補助下手術をしています。
また、呼吸器外科医の入職により、気管支鏡の検査や、肺の悪性腫瘍手術等への対応が可能となりました。
整形外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数(自院) |
平均在院 日数(全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160800xx01xxxx | 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 | 122 | 63.16 | 26.30 | 1.64 | 81.75 | |
160690xx99xx0x | 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし | 97 | 57.28 | 19.61 | 1.03 | 83.28 | |
080010xxxx0xxx | 蜂窩識炎 | 36 | 24.44 | 12.57 | 2.78 | 65.33 | |
160760xx97xxxx | 前腕の骨折 | 35 | 10.31 | 5.68 | 0.00 | 66.80 | |
160980xx99x0xx | 骨盤損傷 手術なし 手術・処置等2-なし | 34 | 56.44 | 19.32 | 0.00 | 81.94 |
【解説】
前年度との順位に大きな変動はありませんが、患者数は年々増加しています。
前年度同様に股関節大腿近位骨折が最も多い症例となっています。また、高齢者に多い転倒による大腿骨の骨折や脊椎の圧迫骨折なども増加しています。
当院の整形外科は大腿骨近位部骨折をはじめとして四肢の外傷、股・膝関節疾患、およびスポーツ外傷など、ほぼ整形外科全般の疾患に対応しています。
当院では急性期治療から回復期リハビリテーションまでの一貫した治療を行っているため、全国平均に比較して在院日数が長くなっています。
チームリハビリテーションを実践し、医師をはじめとしたリハビリテーションスタッフ、看護師、介護福祉士、ソーシャルワーカー、薬剤師、管理栄養士などがひとつのチームとなり、それぞれの専門性を生かしながら、患者様一人一人に合ったリハビリを計画・サポートしていき、高い在宅復帰率を目指しているためです。
前年度との順位に大きな変動はありませんが、患者数は年々増加しています。
前年度同様に股関節大腿近位骨折が最も多い症例となっています。また、高齢者に多い転倒による大腿骨の骨折や脊椎の圧迫骨折なども増加しています。
当院の整形外科は大腿骨近位部骨折をはじめとして四肢の外傷、股・膝関節疾患、およびスポーツ外傷など、ほぼ整形外科全般の疾患に対応しています。
当院では急性期治療から回復期リハビリテーションまでの一貫した治療を行っているため、全国平均に比較して在院日数が長くなっています。
チームリハビリテーションを実践し、医師をはじめとしたリハビリテーションスタッフ、看護師、介護福祉士、ソーシャルワーカー、薬剤師、管理栄養士などがひとつのチームとなり、それぞれの専門性を生かしながら、患者様一人一人に合ったリハビリを計画・サポートしていき、高い在宅復帰率を目指しているためです。
脳神経外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数(自院) |
平均在院 日数(全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030400xx99xxxx | 前庭機能障害 手術なし | 90 | 5.00 | 5.10 | 0.00 | 69.47 | |
010060×2990401 | 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1-なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし | 86 | 26.52 | 16.18 | 3.49 | 74.01 | |
010230xx99x00x | てんかん 手術なし 手術・処置等2-なし 副傷病なし | 32 | 11.31 | 7.28 | 0.00 | 72.31 | |
010061xxxxx0xx | 一過性脳虚血発作 手術・処置等2-なし | 25 | 10.12 | 6.24 | 0.00 | 0.00 | |
160100xx97x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2-なし 副傷病なし | 23 | 16.83 | 9.69 | 0.00 | 0.00 |
【解説】
いままでトップであった脳梗塞が前庭機能障害(めまい)と入れ替わりました。めまいは症状の現れ方や原因は様々です。中には深刻な病気が隠れている場合もありますので、異常が続く場合には早めの対策をとる必要があります。
外来においては脳疾患全般の診療を行うほか、完全予約制で物忘れ外来、ボトックス外来、頭痛外来といった特殊外来も行っています。
当院では、脳梗塞で入院した場合、急性期治療を終え、継続したリハビリが必要な患者様には回復期リハビリテーション病棟へ転棟していただき、1日2時間以上(最大3時間)、日曜・祝日問わず365日の充実したリハビリテーションを実施して早期の在宅復帰を目指しています。
このように、急性期治療から回復期リハビリテーションまでの一貫した治療を行っているため、全国平均に比較して在院日数が長くなっています。
いままでトップであった脳梗塞が前庭機能障害(めまい)と入れ替わりました。めまいは症状の現れ方や原因は様々です。中には深刻な病気が隠れている場合もありますので、異常が続く場合には早めの対策をとる必要があります。
外来においては脳疾患全般の診療を行うほか、完全予約制で物忘れ外来、ボトックス外来、頭痛外来といった特殊外来も行っています。
当院では、脳梗塞で入院した場合、急性期治療を終え、継続したリハビリが必要な患者様には回復期リハビリテーション病棟へ転棟していただき、1日2時間以上(最大3時間)、日曜・祝日問わず365日の充実したリハビリテーションを実施して早期の在宅復帰を目指しています。
このように、急性期治療から回復期リハビリテーションまでの一貫した治療を行っているため、全国平均に比較して在院日数が長くなっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 8 |
大腸癌 | 24 | 22 | 35 | 23 | - | - | 1 | 8 |
乳癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 8 |
肺癌 | - | - | - | - | 14 | - | 1 | 8 |
肝癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 8 |
【解説】
がんの病期分類は、がんがどれくらい進行しているのかという病期・進行度を意味し、 Stage0からStageIVまであり、StageIVは最も進行しているがんです。
【大腸癌】
この数年当院において悪性腫瘍の中で最も多い疾患です。
近年では、人間ドックや検診を受けることにより早期発見が可能になり、内視鏡的切除など身体的負担の少ない手術を受けることが可能です。術後の絶食期間を短縮し、早期退院を目指すERAS(Enhanced Recovery After Surgery)プログラムも実践しています。
【肺癌】
2018年度呼吸器外科医師の入職により、検査から手術を含めた加療が可能となり、今後件数の増加が見込まれます。
悪性腫瘍は、近年患者様自ら人間ドックや検診を受けることにより早期発見されることも多く、早期治療を開始することにより根治可能となっています。
当院では、手術だけでなく、抗がん剤治療も行っており、外来通院での化学療法を必要とする患者様のため、化学療法専用の部屋を設置しています。
質の高いチーム医療で患者様個々の状況や考え方等に十分配慮した最適・最善の医療とケアを提供できるよう努めています。
がんの病期分類は、がんがどれくらい進行しているのかという病期・進行度を意味し、 Stage0からStageIVまであり、StageIVは最も進行しているがんです。
【大腸癌】
この数年当院において悪性腫瘍の中で最も多い疾患です。
近年では、人間ドックや検診を受けることにより早期発見が可能になり、内視鏡的切除など身体的負担の少ない手術を受けることが可能です。術後の絶食期間を短縮し、早期退院を目指すERAS(Enhanced Recovery After Surgery)プログラムも実践しています。
【肺癌】
2018年度呼吸器外科医師の入職により、検査から手術を含めた加療が可能となり、今後件数の増加が見込まれます。
悪性腫瘍は、近年患者様自ら人間ドックや検診を受けることにより早期発見されることも多く、早期治療を開始することにより根治可能となっています。
当院では、手術だけでなく、抗がん剤治療も行っており、外来通院での化学療法を必要とする患者様のため、化学療法専用の部屋を設置しています。
質の高いチーム医療で患者様個々の状況や考え方等に十分配慮した最適・最善の医療とケアを提供できるよう努めています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | 22 | 10.09 | 53.64 |
中等症 | 170 | 35.07 | 82.51 |
重症 | 44 | 33.34 | 86.09 |
超重症 | - | - | - |
不明 | - | - | - |
【解説】
前年度同様、中等症が最も多い結果となっています。
中等症は前年度より約1.3倍増加し、重症であるほど、年齢が高い傾向にあります。
A-DROPシステムの重症度別治療指針では、「軽症」の患者様は外来治療が原則ですが、一部で高熱が続いて食事がとれない、咳がひどく睡眠が障害される、といったケースで入院となる場合があります。当院の成人市中肺炎※2は「中等症」の患者様が最も多いですが、「中等症」以上の患者様の平均年齢は70歳代後半から80歳を超え、高齢者の方ほど重症化する傾向にあることがわかります。
肺炎の重症度分類は、A-DROPスコア※1を用いています。
※1 A-DROP:以下の項目のうち入院時(入院中に発生した場合は発症時)の状態に該当する項目の数
(1つの項目に該当すれば1点;5点満点)
・男性70歳以上、女性75歳以上
・BUN 21mg/dL以上または脱水あり
・SpO2 90%以下(PaO2 60Torr以下)
・意識障害あり
・血圧(収縮期) 90mmHg以下
【0点:軽症、 1~2点:中等症、 3点:重症、 4~5点:超重症】
※2 成人市中肺炎:病院外で日常生活をしていた人に発症する肺胞(はいほう:空気がたまるところ)の急性炎症
前年度同様、中等症が最も多い結果となっています。
中等症は前年度より約1.3倍増加し、重症であるほど、年齢が高い傾向にあります。
A-DROPシステムの重症度別治療指針では、「軽症」の患者様は外来治療が原則ですが、一部で高熱が続いて食事がとれない、咳がひどく睡眠が障害される、といったケースで入院となる場合があります。当院の成人市中肺炎※2は「中等症」の患者様が最も多いですが、「中等症」以上の患者様の平均年齢は70歳代後半から80歳を超え、高齢者の方ほど重症化する傾向にあることがわかります。
肺炎の重症度分類は、A-DROPスコア※1を用いています。
※1 A-DROP:以下の項目のうち入院時(入院中に発生した場合は発症時)の状態に該当する項目の数
(1つの項目に該当すれば1点;5点満点)
・男性70歳以上、女性75歳以上
・BUN 21mg/dL以上または脱水あり
・SpO2 90%以下(PaO2 60Torr以下)
・意識障害あり
・血圧(収縮期) 90mmHg以下
【0点:軽症、 1~2点:中等症、 3点:重症、 4~5点:超重症】
※2 成人市中肺炎:病院外で日常生活をしていた人に発症する肺胞(はいほう:空気がたまるところ)の急性炎症
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 203 | 46.87 | 77.50 | 7.88 |
その他 | 45 | 49.60 | 76.00 | 4.44 |
【対象患者】
最も医療資源を投入した傷病名のICD10コード(※)がI63$で始まる症例※)ICD10コード「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Classification of Diseases and Related health problem」とは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類法です。
【解説】
前年度と比較すると、発症日から3日以内の入院患者数は38件増加し、その他は18件増加しています。
脳卒中は迅速な対応が求められることが多く、救急患者の受け入れも可能な限り行っており、発症後4.5時間以内の超急性期脳梗塞に対しては、積極的に血栓溶解療法(t-PA静注療法)を行っています。
当院では、急性期から回復期まで一貫した治療を行なうことができ、患者様にとって安心した療養生活が送れると考えています。また、回復期病棟では365日リハビリテーションを行い、個人の状態や在宅環境に合わせ、充実したリハビリテーションを提供しており、少しでも早く自宅へ退院できるようフォーローアップ体制を整えています。その他、他施設にて急性期治療を終了し、回復期リハビリテーションが必要な患者様も積極的に受入れています。
最も医療資源を投入した傷病名のICD10コード(※)がI63$で始まる症例※)ICD10コード「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Classification of Diseases and Related health problem」とは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類法です。
【解説】
前年度と比較すると、発症日から3日以内の入院患者数は38件増加し、その他は18件増加しています。
脳卒中は迅速な対応が求められることが多く、救急患者の受け入れも可能な限り行っており、発症後4.5時間以内の超急性期脳梗塞に対しては、積極的に血栓溶解療法(t-PA静注療法)を行っています。
当院では、急性期から回復期まで一貫した治療を行なうことができ、患者様にとって安心した療養生活が送れると考えています。また、回復期病棟では365日リハビリテーションを行い、個人の状態や在宅環境に合わせ、充実したリハビリテーションを提供しており、少しでも早く自宅へ退院できるようフォーローアップ体制を整えています。その他、他施設にて急性期治療を終了し、回復期リハビリテーションが必要な患者様も積極的に受入れています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 (長径2センチメートル未満) |
105 | 0.80 | 1.13 | 0.96 | 70.35 | |
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 61 | 1.03 | 1.11 | 0.00 | 62.28 | |
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 55 | 1.75 | 2.89 | 0.00 | 58.25 | |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術 (虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) |
45 | 0.60 | 2.71 | 0.00 | 41.04 | |
K6335 | ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) | 38 | 1.05 | 1.74 | 0.00 | 70.32 |
【解説】
大腸ポリープ・粘膜切除術は25件減少し、腹腔鏡下胆嚢摘出術の件数が昨年度より約30件増加しています。
成人のヘルニアは自然に治ることはありませんので治療は手術療法が原則となり、当院では腹腔鏡手術を積極的に行っています。
結腸悪性腫瘍の手術においては、腫瘍が特に大きい場合や穿孔がある場合などを除き、腹腔鏡補助下手術の適応としています。
また、術後の絶食期間を短縮し、早期退院を目指すERAS(Enhanced Recovery After Surgery)プログラムを導入しています。
大腸ポリープ・粘膜切除術は25件減少し、腹腔鏡下胆嚢摘出術の件数が昨年度より約30件増加しています。
成人のヘルニアは自然に治ることはありませんので治療は手術療法が原則となり、当院では腹腔鏡手術を積極的に行っています。
結腸悪性腫瘍の手術においては、腫瘍が特に大きい場合や穿孔がある場合などを除き、腹腔鏡補助下手術の適応としています。
また、術後の絶食期間を短縮し、早期退院を目指すERAS(Enhanced Recovery After Surgery)プログラムを導入しています。
整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0461 | 骨折観血的手術(上腕)(大腿) | 84 | 4.76 | 50.15 | 2.38 | 79.17 | |
K0811 | 人工骨頭挿入術(股) | 54 | 4.35 | 60.63 | 0.00 | 82.76 | |
K0462 | 骨折観血的手術(下腿)(前腕) | 53 | 4.15 | 24.34 | 0.00 | 63.19 | |
K0483 | 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(下腿)(前腕) | 32 | 1.03 | 2.0 | 0.00 | 48.50 | |
K0821 | 人工関節置換術(股)(膝) | 25 | 1.72 | 46.44 | 0.00 | 69.36 |
【解説】
手術の 第1位と第2位は大腿骨頸部骨折等に対する手術です。
当院では急性期治療から回復期リハビリテーションまで一貫した治療を行っているため、術後の在院日数が長くなっています。
骨折は、手術だけで治癒できるものではなく、術後早期のリハビリテーション、退院後のリハビリテーションや通院を継続するようにして、在宅復帰を目指し、受傷前に近い日常生活を送れるようにサポートしています。
骨内異物除去術は、骨折や靭帯の手術で固定するために用いた金属製のネジやプレートを、治癒した後に取り去る手術です。
部位によりますが、殆どの場合入院期間は3日前後となっています。
また、当院にはスポーツ専門外来があり、若年層への治療も行なっており、幅広い年代へ対応しています。
手術の 第1位と第2位は大腿骨頸部骨折等に対する手術です。
当院では急性期治療から回復期リハビリテーションまで一貫した治療を行っているため、術後の在院日数が長くなっています。
骨折は、手術だけで治癒できるものではなく、術後早期のリハビリテーション、退院後のリハビリテーションや通院を継続するようにして、在宅復帰を目指し、受傷前に近い日常生活を送れるようにサポートしています。
骨内異物除去術は、骨折や靭帯の手術で固定するために用いた金属製のネジやプレートを、治癒した後に取り去る手術です。
部位によりますが、殆どの場合入院期間は3日前後となっています。
また、当院にはスポーツ専門外来があり、若年層への治療も行なっており、幅広い年代へ対応しています。
内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) | 36 | 0.14 | 1.42 | 2.78 | 60.36 | |
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 31 | 4.48 | 18.39 | 0.00 | 80.94 | |
K6872 | 内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴うもの) | 10 | 7.40 | 7.90 | 0.00 | 79.90 | |
K664 | 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) | - | - | - | - | - | |
K7212 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上) | - | - | - | - | - |
【解説】
消化器疾患の手術が主で、最も多い手術は内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術です。
ポリープ切除術は、ポリープの大きさによって分類されているため、1位、5位に分かれています。
胆道ステント留置術とは、狭くなっている胆道にチューブやステント(金属でできた網目の筒状のもの)を挿入して胆汁の流れを良くする手術です。
総胆管結石、胆管炎等による発熱や腹痛、黄疸が主症状の急性疾患は緊急の処置が必要となるため行います。
消化器疾患の手術が主で、最も多い手術は内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術です。
ポリープ切除術は、ポリープの大きさによって分類されているため、1位、5位に分かれています。
胆道ステント留置術とは、狭くなっている胆道にチューブやステント(金属でできた網目の筒状のもの)を挿入して胆汁の流れを良くする手術です。
総胆管結石、胆管炎等による発熱や腹痛、黄疸が主症状の急性疾患は緊急の処置が必要となるため行います。
脳神経外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 | 26 | 2.77 | 21.31 | 0.00 | 81.85 | |
K664 | 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) | - | - | - | - | - | |
【解説】
慢性硬膜下血腫とは、忘れてしまうような軽微な頭部外傷などの後、通常1~2ヶ月かけて、頭蓋骨の下にあり脳を覆っている硬膜と脳との隙間にじわじわと血が貯まってくる病気です。血腫が脳を圧迫した結果、頭痛、物忘れ、認知症症状などの精神症状、失禁、半身に力が入らない、歩行障害、などの症状を呈する事が多いです。また、アルコール多飲者や高齢者に多く発症すると言われています。前年度と比較して手術は11件増加しています。
慢性硬膜下血腫の治療法として外科的治療が推奨されており、慢性硬膜下血腫洗浄・除去術という手術をします。この手術では、局所麻酔で頭蓋骨に小さい孔をあける穿頭術を行い、血腫を吸いだし、生理食塩水で洗浄します。
慢性硬膜下血腫とは、忘れてしまうような軽微な頭部外傷などの後、通常1~2ヶ月かけて、頭蓋骨の下にあり脳を覆っている硬膜と脳との隙間にじわじわと血が貯まってくる病気です。血腫が脳を圧迫した結果、頭痛、物忘れ、認知症症状などの精神症状、失禁、半身に力が入らない、歩行障害、などの症状を呈する事が多いです。また、アルコール多飲者や高齢者に多く発症すると言われています。前年度と比較して手術は11件増加しています。
慢性硬膜下血腫の治療法として外科的治療が推奨されており、慢性硬膜下血腫洗浄・除去術という手術をします。この手術では、局所麻酔で頭蓋骨に小さい孔をあける穿頭術を行い、血腫を吸いだし、生理食塩水で洗浄します。
眼科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) | 119 | 0.00 | 1.00 | 0.00 | 72.32 | |
K2822 | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入しない場合) | - | - | - | - | - | |
K224 | 翼状片手術(弁の移植を要するもの) | - | - | - | - | - | |
K229 | 眼窩内異物除去術(表在性) | - | - | - | - | - | |
【解説】
水晶体再建術は、前年度より26件増加しています。
当院で行っている眼科の手術は、高齢者の方に多い白内障の治療のため、水晶体の代わりに【眼内レンズ】と呼ばれる人工のレンズを挿入する「水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの)」です。
日帰りで行う医療機関も増えてきていますが、当院では安全面を最優先し、1泊2日の入院としており、入院当日に手術を受け、翌日に診察を受けてから退院としています。
水晶体再建術は、前年度より26件増加しています。
当院で行っている眼科の手術は、高齢者の方に多い白内障の治療のため、水晶体の代わりに【眼内レンズ】と呼ばれる人工のレンズを挿入する「水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの)」です。
日帰りで行う医療機関も増えてきていますが、当院では安全面を最優先し、1泊2日の入院としており、入院当日に手術を受け、翌日に診察を受けてから退院としています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - |
【解説】
症例数が10件未満のため、「-」と表示しています。
【手術・処置等の合併症】に関しましては、前年度21件より大幅に減少しました。一人ひとりの患者様について、リスク(併存症や習慣、体格、精神状態、年齢)の有無や種類、その程度などを評価することにより、術前・術後の管理がされ、件数の減少に繋がったものと考えます。
当院における『手術・処置等の合併症』は、人工関節の脱臼、透析シャントの閉塞、手術創の離開などがあります。
症例数が10件未満のため、「-」と表示しています。
【手術・処置等の合併症】に関しましては、前年度21件より大幅に減少しました。一人ひとりの患者様について、リスク(併存症や習慣、体格、精神状態、年齢)の有無や種類、その程度などを評価することにより、術前・術後の管理がされ、件数の減少に繋がったものと考えます。
当院における『手術・処置等の合併症』は、人工関節の脱臼、透析シャントの閉塞、手術創の離開などがあります。
更新履歴
- 2019/09/25
- 平成30年度 病院指標の公開
全体に占める割合として、80歳代が最も多く、全体の約3割を占めています。0~60歳代までは前年度より微増でしたが、70歳・80歳代はそれぞれ100名近い増加が見られました。70歳以上の患者数は年々増加しており、当院においても超高齢化が進んでいます。
年齢階層別の主な疾患として、60歳以下はヘルニア、虫垂炎、睡眠時無呼吸症候群、腸炎、上肢(鎖骨、腕等)の骨折、足関節の骨折、60歳以上は悪性腫瘍、肺炎(誤嚥性を含む)、脳梗塞、心不全、白内障、胸腰椎圧迫骨折、大腿骨近位骨折、尿路感染症などがあげられます。
近年では当院周辺に若い世代の住民も増え、幅広い医療の提供が求められます。今後も充実した医療の提供と患者様に寄り添った医療を両立していけるよう、取り組んでまいります。